日本には年間16回(2021年の場合)の国民の祝日が制定されています。しかし、祝日がなにに由来するものなのか、いまいちわからない人も多いのではないでしょうか。このシリーズでは、そんな方々に向けて、その月にある祝日について解説いたします。祝日がない12月ですが、平成には祝日がありました。また、毎年大晦日もあります。今回は12月番外編です。

『平成天皇誕生日』12月23日

平成では、12月23日が天皇誕生日として祝日でした。2019年5月1日より元号が令和になり、天皇が変わったため、天皇誕生日は2月23日となりました。このことにより、2019年以後、12月から祝日がなくなったのです。ちなみに、改元の日はすでに新天皇の誕生日が過ぎていたので、2019年は天皇誕生日の祝日がない年となりました。

明治以降の天皇誕生日は、5月4日の昭和天皇の誕生日が「みどりの日」、11月3日の明治天皇の誕生日が「文化の日」として名前を変えて祝日に残っていますが、これはむしろ特例で、平成の天皇誕生日は平日に戻ることになりました。

『大晦日』12月31日

一年の最終日の大晦日。何気なく子供のころから使っていた言葉ですが、意味や由来まで考えたことがある人は少ないのではないでしょうか。

大晦日という言葉は、旧暦のいい方が関係しています。旧暦では毎月の最終日を「晦日(みそか)」といっていました。旧暦は月の動きと大きく関係しています。新月を1日として、およそ30日周期で月が満ち欠けしていました。その30日目、月が隠れる日を「晦日」といいます。晦という字は「晦(つごもり)」と読み、月が隠れることを意味しています。晦日も別名で「つごもり」と呼ばれており、月が隠れるという意味の「月隠り(つきごもり)」から転じた呼び方です。平均的な月の満ち欠けが29.5日で多少のズレはあったのですが、だいたい毎月の最終日が晦日にあたっていたので、毎月の最終日という意味に変化していったそうです。12回ある晦日のうち、一年の最後で大事な日である12月の晦日には「大」を付けて「大晦日」というようになりました。

大晦日は平安時代頃から新しい年に歳神様(としがみさま)を祀るための準備の日とされています。歳神様は穀物の神様で、一年の豊作を祈念します。現在でも残るお正月飾りの門松・しめ縄・鏡餅などは歳神様をお迎えするためのものでした。また、歳神様は各家に来るとされており、大晦日から家に籠って眠らずに夜通し祈願する「年籠り(としごもり)」をすることが一般的でした。昔は一日が夜から始まっていたため、大晦日の日暮れから元旦が始まり、一晩中眠らずに夜を過ごし、歳神様を迎え家の中でお参りしていたのです。これらの行事が由来となり、現在では神様が家に来る観念がなくなり、神社へお参りに行く初詣につながっています。ちなみに、今の私たちに馴染み深い大晦日行事である、除夜の鐘は仏教が浸透しはじめた鎌倉時代頃、年越しそばは江戸時代頃から食べられるようになりました。

まとめ

クリスマスから年末、年明けは毎年あっという間で大晦日の意味を知ろうとは思いもしていませんでした。名前の由来、行事の由来、昔から新年を迎えることは特別なことなのですね。家族や友人とゆっくり過ごす人も多いと思います。お正月に飾るものや食べるものの由来・意味を調べてみるのも盛り上がるかもしれません。