この記事では毎月の和名、英名、満月の呼び名についてご紹介します。現在の日本では、12か月の月を数字で表していますが、古来の日本では季節感が分かるような言葉を使っていました。英語も数字ではなく固有の単語で表現しています。また、それぞれの月の満月には特別な呼び名が付けられています。1月は和名で「睦月」英語で「January」と呼ばれ、満月は「ウルフムーン」です。それでは、1つずつご紹介します。

睦月

睦月は「むつき」と読みます。由来や意味については諸説ありますが、有力な説は「睦び月」(むすびつき)が睦月に転じたというものです。1月は、お正月に親族が集まる月です。人の結びつき、仲睦まじいこと、親しみ合うなどの意味がある「睦び合い」が由来となっています。

その他にも、元になる月で「元月」(もとつき)が転じて「むつき」になったという説もあります。万葉集には「正月立ち春の来たらばかくしこそ梅を招きつつ楽しき終へめ」という歌が収められていて、正月のことをむつきと読ませます。この歌が詠まれたのは、奈良時代のことなので、古くから日本人が家族のつながりを意識していたことがわかります。現代では家族で離れて暮らすことも多いですが、お正月には親族で集まるので、昔からの思想は変わっていないのかもしれません。

January

Januaryは、ローマ神話のJanus(ヤヌス)から来ています。ヤヌスは入り口と扉の守護神、物事の始まりの神、など事の始まりを司る神様です。顔が2つ付いていて、一方は過去を、もう一方は未来を見ています。そのため、一年の始まりである1月はヤヌス神の月になったようです。ちなみに、紀元前8世紀ごろのローマの暦には1月と2月は存在せず、3月から始まっていました。当時は農耕に深い関りがありましたが、農業ができない2か月には特別な呼び名がなかったのです。その後、ふたつの月の呼び名が加えられ、現在の形に近い暦に変化していきました。紀元前8世紀の暦が現代までつながっていると思うと、ロマンを感じますね。

ウルフムーン

ウルフムーンは、月の満ち欠けによる太陰暦をもちいていたアメリカの先住民であるネイティブアメリカンが使っていた呼び方だと言われています。ネイティブアメリカンは作物の収穫や狩りなど自然と共存していたので、生活するうえで毎月見られる満月を目印にしていました。1月の時期になると狼の遠吠えが良く聞こえていたようです。遠吠えしていた理由は、冬の寒さで餌がなくなり空腹であるという説、繁殖期のためという説などがあります。その狼の遠吠えが由来し、1月に見られる満月はウルフムーンと呼ばれるようになりました。

まとめ

どの呼び方にも、意味を調べてみるとそれぞれに由来があります。由来から初めて知ることも多いので、何気なく使っている、聞いている言葉を時々調べてみるもの楽しいですね。