この記事では毎月の和名、英名、満月の呼び名についてご紹介します。

現在の日本では、12か月の月を数字で表していますが、古来の日本では季節感が分かるような言葉を使っていました。英語も数字ではなく固有の単語で表現しています。また、それぞれの月の満月には特別な呼び名が付けられています。

4月は和名で「卯月」、英語で「April」と呼ばれ、満月は「ピンクムーン」です。

それでは、1つずつご紹介します。

卯月

卯月は「うづき」と読みます。由来は諸説ありますが、最も有力なものは「ウツギの花」が咲く季節だからというものです。ウツギの花は「卯の花」と呼ばれることもあり、「卯の花の咲く月」から「卯月」となったというわけです。実際にウツギが咲くのは現代では5月~7月ごろですが、旧暦の4月はまさにこの時期に当たるので、この花の名前を月名に冠したのです。

ちなみに、食いしん坊の筆者は「卯の花」と聞くと「おから」をイメージしてしまうのですが、こちらはおからがウツギの花に似ていることから呼ばれるようになったのだそうです。

April

4月は英語でAprilですが、これは古代ローマで使われたAprilisという言葉が語源です。Aprilisはギリシャ神話に登場する愛と美の女神Aphrodite(アフロディテ)に由来します。ローマ神話では同じく愛と美の女神としてVenus(ベヌス)がありました。私たちにとってはヴィーナスという読み方の方が一般的かもしれません。当時はローマ神話とギリシャ神話に登場する2人の女神は同一視されていました。一方、ヴィーナスには「菜園の守り神」としての立場もあり、草木が芽吹く4月という季節にこの女神の名前が使われるようになったのです。当時2人が同一視されていたことで、ヴィーナスの持つ「菜園の守り神」の要素はアフロディテにも当てはめられ、Aprilのきっかけになったといわれています。

ピンクムーン

アメリカでは4月の満月のことを「ピンクムーン」と呼びます。現地でこの時期に花を咲かせるフロックスの花の色が由来となっています。フロックスは芝桜などと同じ仲間の植物です。つまり「ピンク」は月の色を指しているのではなく、花の色を表現した呼称なのです。ネイティブアメリカンが住む北アメリカでは、春になるとフロックスが咲き乱れ、一面がピンクに染まるそうです。ピンクに染まった大地を満月の優しい光が照らす様子は想像するだけで美しいですね。

近年ではこの名前にあやかって、「恋愛運が上がる」などとも言われており、新しい季節にピッタリの呼び名となっています。ちなみに、こちらの呼称には地域差があるようで、「エッグムーン」や「フィッシュムーン」などと呼ばれることもあるようです。

まとめ

今回は4月の異名をご紹介しました。4月は春になり草木が活動を始める季節ということで、どの異名にも草木が関連していたのは面白いですね。草木だけでなく、皆さんの恋や趣味が芽吹くといいですね。