この記事では毎月の和名、英名、満月の呼び名についてご紹介します。現在の日本では、12か月の月を数字で表していますが、古来の日本では季節感が分かるような言葉を使っていました。英語も数字ではなく固有の単語で表現しています。また、それぞれの月の満月には特別な呼び名が付けられています。2月は和名で「如月」、英語で「February」と呼ばれ、満月は「スノームーン」です。それでは、1つずつご紹介します。

如月

如月は「きさらぎ」と読みます。由来や意味については諸説ありますが、有力な説は「衣更着(きさらぎ)」が如月に転じたというものです。2月は寒さが厳しい時期で、寒さに備えるため重ね着をするため、「衣を更に着る」という意味が由来となっています。その他にも、2月は天気が良くなり陽気が増す季節ということで、「気更来(きさらぎ)」が転じた説、だんだんと春が近づき、草木が芽生え始める季節というとで「生更木(きさらぎ)」が転じた説などがあります。

如月という漢字は、中国の2月の異名が関係していると言われています。中国では2月の事を、如月「にょげつ」と言います。如月(にょげつ)の「如」という漢字には寒い冬が終わり、春に向かって万物が動き始めるという意味があります。中国と同じ漢字を使っていますが、由来を調べると意味が異なることが分かります。中国で使われていた2月の「如」が日本で如月としてなぜ使われているのか、現在でも分かっていないようです。

February

Februaryは、古代ローマの祭典が由来と言われています。その祭典は、サビニ戦争で命を落としたローマ人とサビニ人の両方の市民の死を悼んで、戦死者を慰霊し、戦争の罪を清める儀式を執り行ったのものです。ローマ神話では清浄と浄化を司る、Februus(フェブルウス)という神がいます。祭典ではその神を主神として祀られることになりました。その後、祭典はFebrualia(フェブルアーリア)と呼ばれるようになり、毎年行われるようになりました。フェブルアーリアが毎年2月に行われていたことから、その月をフェブルアまたはフェブルアーリアと呼び、現在の2月の英語である読みの語源となっています。

スノームーン

スノームーンは、月の満ち欠けによる太陰暦をもちいていたアメリカの先住民であるネイティブアメリカンが使っていた呼び方だと言われています。ネイティブアメリカンは作物の収穫や狩りなど自然と共存していたので、生活するうえで毎月見られる満月を目印にしていました。2月は寒さが一番厳しく、雪が最も降る時期でした。その気候が由来し、2月はスノームーンと呼ばれるようになりました。

また、気候条件が厳しいため、狩りも満足にすることができず、ハンガームーン(飢餓月)とも呼ばれていたようです。それを聞くだけで、いかに生きていくのに大変な時期だったかが、簡単に想像できますね。

まとめ

それぞれの呼び方は想像以上に昔から使われていたことが分かります。言葉には由来があり、その時の状況が反映されていることが多く、調べてみると新たな発見があります。2月の場合は、日本・中国・ネイティブアメリカンの中で厳しい寒さを乗り越えようとする先人たちの意思を感じました。まだまだ寒い日が続きますが、もうすぐそこまで来ている春に思いを巡らせながら、暖かくなってからの予定を立てて、手帳に書いてみてはいかがでしょうか。