日本には年間16回(2021年の場合)の国民の祝日が制定されています。しかし、祝日がなにに由来するものなのか、いまいちわからない人も多いのではないでしょうか。このシリーズでは、そんな方々に向けて、その月にある祝日について解説いたします。

今回は8月編です。8月には『山の日』が制定されています。早速見てみましょう。

『山の日』8月11日(2021年は8日)

「山の日」は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という趣旨で制定されました。山の日は他の祝日とは違い、山に関する特別な出来事や由来があるわけではありません。ではなぜ山の日が制定されたのでしょうか。

山の日ができたきっかけは1995年に制定された海の日にあるようです。海の日の制定をきっかけに山梨県をはじめ複数の県では独自で山の日を制定し始めました。そんな中、国連が2002年を国際山岳年とし、山岳地帯の重要性や特有の生態系への意識を高める活動を推進しました。すると、山の日を国民の祝日とする動きが国内で大きくなります。その後、2010年に日本山岳会をはじめとする、全国「山の日」協議会加盟諸団体や、山の日を制定していた地方自治体、その他山岳関係者、団体等が山の日制定協議会を設立します。2013年には、超党派の議員連盟の山の日制定議員連盟が開いた総会で、山の日を祝日とする場合いつが望ましいか、が話し合われました。自治体で独自に定められていた山の日は、それぞれで異なっていたため、日付を統一する必要があったのです。山の日は当初、祝日のない月にする案や海の日と近い日にする案などがあり、その中でお盆休みに連動させやすい8月12日が有力候補でした。しかしこの日は日本航空123便が墜落する事故が起きた日で、反対意見も多く、最終的に一日ずらした8月11日になりました。それぞれの自治体では、8月8日や11月11日など「8」や「11」が付く日が多く用いられており、「八」は山の形に見え、「11」は木が並んでいる姿に見えるという理由もあったと言われています。2016年の祝日法で制定され、山の日は正式に国民の祝日となりました。2021年はオリンピックの関係で祝日が移動し、8月8日です。祝日法で9日が振替休日となり3連休が作られています。

まとめ

お盆休み前の祝日の山の日で、お盆が少し長くなった方は多いのではないでしょうか。暑さも本格的になり毎日じりじりと暑い日が続きます。連休中に体調を崩さぬよう、感染予防もしっかりとして休みと夏を満喫したいですね。