この記事では毎月の和名、英名、満月の呼び名についてご紹介します。現在の日本では、12か月の月を数字で表していますが、古来の日本では季節感が分かるような言葉を使っていました。英語も数字ではなく固有の単語で表現しています。また、それぞれの月の満月には特別な呼び名が付けられています。3月は和名で「弥生」、英語で「March」と呼ばれ、満月は「ワームムーン」です。それでは、1つずつご紹介します。

弥生

弥生は「やよい」と読みます。由来や意味については諸説ありますが、「草木弥や生ひ茂る月(きくさいやおいしげるつき)」が「弥生(いやおい)」になり、さらに変化して「やよい」になったという説が有力です。「弥(いや)」は、「いよいよ」「ますます」の意味があり、「生(おい)」は、草木が芽吹くことを意味しています。様々な花が咲き始める3月に合っている言葉ですね。

弥生と聞いて、歴史の授業で勉強した弥生時代を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。実はこの弥生と、3月の弥生は全く関係がありません。弥生時代の弥生は土器が見つかった地名からつけられたものです。ではその地名が3月の弥生と関係があるのか?これも全く別物です。地名の弥生は徳川斉昭が詠んだ和歌から取り、明治政府が弥生町としたことが由来です。同じ弥生でも意味や由来が違うのは面白いですね。

March

Marchはローマ神話のマルス(Mars)が由来と言われています。マルスはラテン語のMartius(マルティウス)が語源です。マルスは軍事と農作を司る神で、軍神とも呼ばれています。古代のローマでは暖かくなる3月は、軍隊を動かす季節、農作を始める季節でした。軍事、農作両方が動き出すことから、その両方を司るマルスを称え始めたと言われています。古代ローマでは、軍事と農作という国家を支える2本の柱が同時に動き出す3月を、1年の最初の月として数えていました。

ちなみに、宇宙に浮かぶ火星をマーズと呼ぶのもマルスが関係していると言われています。これは火星が赤く、鮮血を連想することから、戦争や軍事と結びついたことが由来です。

ワームムーン

ワームムーンは、月の満ち欠けによる太陰暦をもちいていたアメリカの先住民であるネイティブアメリカンが使っていた呼び方だと言われています。ネイティブアメリカンは作物の収穫や狩りなど自然と共存していたので、生活するうえで毎月見られる満月を目印にしていました。雪が解けはじめるこの時期にミミズなどの虫が地面から出てくるようになり、這った跡が見られるようになることが由来です。レンテンムーンとも呼ばれ、冬の最後の月という意味もあるそうです。

まとめ

暖かくなり、梅や桜が咲き始める3月は昔から春の訪れを感じる季節だったことが分かります。厳しい寒さを乗り越え、暖かくなる季節に期待していることも伝わりますね。今でも環境がかわる節目の時期で、新しいことに取り組むのにぴったりの季節です。皆様は今年の春、どのように過ごしますか?