多くの中学校・高等学校で採用されている「生徒手帳」は、校訓や生徒会規則、校歌などが記載されたその学校独自の手帳です。毎年更新をして始業式の際に配ることが多いのではないでしょうか。そんな生徒手帳が、現代の時代の変化に合わせて形をかえつつあります。

生徒手帳のこれまで

-生徒手帳の意義-

生徒手帳は戦後にいくつかの学校で作られ始め、日本全国に広まったと言われています。一般的には校訓、校歌、生徒会規則などが掲載されたポケットサイズの小さな手帳で、制服の胸ポケットなどに入れて持ち運べるような仕様になっています。

生徒手帳に記載された校訓や規則を持ち運ぶことは、学生にその学校の生徒であるという自覚を促します。社会に出れば、一定のルールの中で生活をしなければなりません。学生のうちから学校のルールの中で生活するクセをつけることは重要です。  また実用的な部分でいえば、在学証明書としての意義があります。生徒手帳はその学校に所属している生徒にのみ配られるものなので、在学証明書として使えるように工夫されるものも多数存在します。表現の仕方は様々で、学校によっては別途作成した学生証カードを差し込める仕様になっていたり、手帳そのものに各生徒の顔写真を貼り付けたりします。これによって、あらゆる場面で身分証明書として利用することができ、公共機関での証明や、学生用のサービスなどで優遇を受けられることになります。よく利用されるのは電車やバスなどの公共交通機関で学生用定期券購入する際の証明でしょう。社会人であれば、運転免許証などが身分証としての効果を持ちますが、公的書類の少ない中高生にとっては重要な要素です。

  ■主な生徒手帳の意義

  • 学生としての自覚を促す
  • 生徒の在学証明となる

-生徒手帳の問題点-

生徒にとって重要な役割を持っている生徒手帳ですが、その意義が有効に発揮されていないのが実態です。

 まず、「生徒手帳の使用頻度が低い」ことが問題です。多くの場合、生徒手帳は日常的に使用するものとして認識されていません。前述の通り、校訓や規則が主な内容となるため、頻繁に目を通す必要がなく、始業式で受け取ってから学年が変わるまで、1度も開かないこともざらです。

 利用頻度が低いことで、「携帯されにくい」という問題点も発生します。携帯を便利にするために採用したコンパクトなポケットサイズも逆効果です。このサイズは制服の胸ポケットにしまえることを前提に考えられています。たいていは冬服の胸ポケットです。ここに生徒手帳をいれたまま、夏が来ると制服が衣替えし、夏服になります。夏の期間は制服のポケットにしまわれないため、生徒手帳の携帯率は低下します。冬服に戻ったころには、生徒手帳の存在さえ忘れてしまうのです。

 こうした現象の一因には、生徒手帳そのものの意義が生徒にうまく伝わっていないこともあります。中高生にとって、身分証を呈示しなければならない場面はそう多くないですし、校訓などを見返して自覚を持とうという意思を持つ生徒はほぼ皆無でしょう。 これらの問題点の根底にある最大の問題点は、生徒手帳の意義の薄さがあります。先ほど意義として挙げた要素はどれも生徒の日常生活に寄り添ったものではありません。「生徒手帳が使われていない」と問題点を挙げましたが、そもそも「生徒手帳を使う」状況があまりイメージできないのではないでしょうか。生徒手帳が生徒のためにあるのであれば、生徒の日常によりコミットして、学校生活をサポートするものであるべきです。

  ■一般的な生徒手帳の問題点

  • 使用頻度が低い
  • 携帯されにくい          ← 生徒手帳の意義が薄い
  • 意義が学生に伝わっていない

これからの生徒手帳の意義とは

生徒手帳の意義は、在学の証明が主要素で、形式的な観点が強いものでした。どんなものでもそうですが、形式だけのものはやがて形骸化します。形だけの生徒手帳としないためには、より実用的な意義が必要です。

 実用的な意義を考えるためには、まず、学校の役割を明確にする必要があるでしょう。文部科学省のHPには下記のような記載があります。

高校卒業時までに、社会人としての力を身に付けることを教育の目標として、明確に掲げる必要がある。(中略)義務教育修了時には、生きていくために必要な、「確かな基礎学力と社会ルール」を身に付け、その上に多様な個性、発想力、創造力を発揮できるためのプログラムを創っていくことが必要である。特に、個々人の違いや多様性を認めた上で、自ら自分の価値や存在意義を発見し、「なぜ学ぶのか」「なぜ働くのか」「自分は一体何がしたいのか」といったことを突き詰めて、深く考えさせる教育の場を用意する必要がある。

【経済同友会提言「若者が自立できる日本へ」H15.4】

ここで示されているのは、学校教育が単に知識を得る場所ではなく、将来社会人として自立した人間への成長の場としてあるということです。これを生徒手帳の意義に落とし込むのであれば、社会人としての行動をプレ体験できるような仕組みを作ることが必要でしょう。

生徒手帳とスケジュール帳を一体化する

生徒手帳の活用を通じて、社会人としての行動をプレ体験するためにはどうしたらよいでしょうか。経産省では「社会人基礎力」を提唱しています。「社会人基礎力」とは「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力とされています。これら3つの能力を伸ばすための仕組みが重要ということです。そこで、生徒手帳とスケジュール帳を一体化させた新しい生徒手帳をおススメします。

 スケジュール帳は日々のスケジュール管理だけでなく、中・長期的な目標を叶えるための計画表としての役割や、日々の反省を通した課題発見の役割、簡潔にものごとをまとめる役割などがあります。こうした役割が上記の3つの能力を伸ばすのに適しています。

「前に踏み出す力」は主体性や実行力が重要となります。スケジュール帳型生徒手帳であれば目標や夢を記載することで、主体的に考え、どのように行動すべきか意識されるようになります。たとえば、手帳の最初のページに一年の目標をかき、月間カレンダーにはその月の目標、週間カレンダーにはその週の目標を記載できるように工夫すれば、長期的な目標から逆算した短期的な目標を落とし込むことができます。

「考え抜く力」は計画性や課題に対する対応力のことです。スケジュール帳をつけることで、日々の学習や目標に計画性をもって臨むことができますし、日々の反省を書き込めば、そこから課題をあぶりだし、課題解決に向けた行動を起こすこともできます。 「チームで働く力」では、傾聴力などとともに発信力が重要です。自分の考えをわかりやすく相手に伝えるためには、要点を押さえて説明することが重要です。手帳にメモを取る際には、すべてを書くのではなく、要点を絞って必要な情報を書き留めることが重要です。こうした記載方法を繰り返すうちに、重要なポイントがどこかを意識しながら物事を考えるクセがつき、相手に伝わりやすい話し方ができるようになります。

学生だからこそスケジュール帳をつかうべき

スケジュール帳の記載を習慣にすると、「PDCAサイクル」が自然に身に付きます。PDCAサイクルはビジネスの業務管理の方法として知られていますが、ビジネス以外の場面でも有効です。例えば、志望大学への入学を目標として、1年間の計画を立てたとします。大学の入学試験日から逆算をして、どの時期に何をしなければいけないかを月間カレンダーに書き込みます。同じように、週間カレンダーにも、その週の目標を記載します。1日が終わったらその日の反省をして記載します。できなかった部分は翌日どうやって改善するかを考えますし、良かったところは継続することになります。この一連の流れはまさに「Plan」「Do」「Check」「Action」です。目標が部活の大会であれば、練習のスケジュールをつけることになりますし、課外活動であれば活動スケジュールになります。

こうしたPDCAサイクルの循環は目標・夢を叶えるための近道です。そして、大人になってからよりも、成長期にある生徒の方が、PDCAサイクルの効果は大きく影響します。学生のうちからスケジュール帳を活用することで、学生生活を充実させ、社会に出てからも活躍する自立した人に成長することができます。

PDCAサイクル

学校独自のページをつくりこむ

生徒手帳をより充実したものにするために、学校独自の要素を追加するのもよいでしょう。

 わかりやすい例でいえば、スケジュール帳にあらかじめ学校行事を印刷しておくことです。年間スケジュールを1枚の紙でもらってもしっかり保存しておく生徒は少ないですが、手帳に書き込まれていればなくすことなく1年間しっかり活用できます。

毎学期に講演会を実施している学校であれば、専用のメモページを作成するとよいと思います。講演日時や講師の名前、テーマを記載できるようなフォーマットにし、内容も簡単なメモが取れるようにします。講演終了後には、印象に残ったことや、感動したことを記載することで、意識付けを強くできますし、毎日手にする手帳に記載しておくことで、講演後も何度も振り返ることができます。

講演会メモの実例

 大学研究などに力を入れているのであれば、オープンキャンパスの記録表や計画表を入れるのもよいかもしれませんし、読書を推奨していれば、読書記録をつけるのもよいでしょう。  カード型の学生証がある学校であれば、手帳のカバー部分にカードポケットをつけ、差し込める形式にするのはいかがでしょうか。紛失しやすいカードを管理しやすくなるだけでなく、責任をもって扱ってもらえるようになります。

オリジナル生徒手帳の作成は勝手帳までご相談ください

オリジナルで生徒手帳をつくることで、生徒に活用され意義のあるものにすることができます。一方で、製作が大変になるかもしれません。そんなときは勝手帳にお任せください。勝手帳は2000年からオリジナル手帳の製作事業を開始し、これまで様々な企業や団体の手帳を作成してきました。その中には公立・私立を問わず生徒手帳が含まれています。

 勝手帳であれば、専門的な知識が必要な手帳のデザインからお手伝いすることができ、ご要望にあった手帳を製作できます。また、短納期も可能で、デザインの完成から約1か月でのご納品を実現しました。翌年のスケジュールがぎりぎりまでわかっていなくても間に合せることができます。小ロットからの作成にも対応しているので、数百冊単位での製作も承ります。

参考:文部科学省HP

   経済産業省HP